
英語の5文型を分かりやすく解説:英文理解の基礎を身につけよう
言語と文型
どの言語にもそれぞれ基本的な文の構造があり、特に主語、動詞、目的語の語順によってそれが決まります。
たとえば、英語は一般に SVO language と呼ばれますが、これは基本的な語順が 主語 + 動詞 + 目的語 だからです。
次の文を見てみましょう。
I ate an apple.
- Subject: I
- Verb: ate
- Object: an apple
このように、SVO はこれらの文の要素の頭文字を取った呼び方です。スペイン語や中国語も、一般にこの語順に従います。
これに対して、韓国語や日本語は SOV language と呼ばれ、基本的な語順は 主語 + 目的語 + 動詞 となります。
文型は学習時に軽視されがちですが、これを理解しておくことで文法的に正しい文と、不自然または文法的に誤った文とを区別しやすくなります
感覚的な英語が通用する段階であればそれでも大丈夫ですが、高度な英語が求められるようになってくると感覚だけだと太刀打ちできなくなってきます。そこで基礎的な文法知識が活きてきます。
英語における5つの文型
英語の能動文は次のいずれかの構造に当てはまります。
- SV(主語+動詞)
- SVC(主語+動詞+補語)
- SVO(主語+動詞+目的語)
- SVOO(主語+動詞+間接目的語+直接目的語)
- SVOC(主語+動詞+目的語+補語)
文がこれらのいずれかの形を満たしていれば、その文は文法的に完結した文だと考えることができます。こうした、単独で成り立つ文を独立節(independent clause)と呼びます。
これらの文型を理解しておくことは、特に TOEFL Writing Section Part 1 でも役立ちます。このパートでは、ワードバンク内の単語を並べ替えて、意味の通る文を作る必要があります。
5つの文型のうち SV と SVO は比較的シンプルで混乱を起こしにくいです。一方で、SVC、SVOO、SVOC は補語という概念が関わってくるため、やや分かりにくく感じやすい文型です。
この記事では、それぞれの文型がどのような構造なのか、そして何がどう違うのかを、できるだけ分かりやすく整理していきます。ひとつずつ確認していけば、5つの文型の違いはきちんと理解できるようになります。
SV (Subject-Verb)
SVは英語で最も基本的な文型で、主語と動詞がそろえば独立節として完成します。もし主語と動詞の組み合わせだけで完全な文になるなら、その文は SV と判断することができます。次の例を見てみましょう。
My dog runs in the park.
- Subject: My dog
- Verb: runs
- Prepositional phrase: in the park.
この文は、主語、動詞、前置詞句で構成されています。ただし、完全な文を作るために必要なのは主語と動詞だけです。実際 My dog runs だけでもすでに意味は完結しています。そのため、この文は SV と分析できます。
前置詞句 in the park は追加情報の役割はありますが、文を完成させるために必須ではありません。実際、この文ではそこを省略しても文法的に誤りにはなりません。
SVC (Subject-Verb-Complement)
SVCの文型では、補語 (Complement) が主語の状態・性質・立場・正体などを説明します。SVCの補語には名詞が来ることもあれば、形容詞が来ることもあります。補語の品詞によって文意の方向性が変わってきます。
- 名詞が補語になる場合:
主語を言い換えたり、「何者か」を示したりします。 - 形容詞が補語になる場合:
主語がどのような状態にあるのかを表します。
しかし、目的語も名詞になるため補語も名詞だと、それが補語なのか目的語なのかの判断がつきにくいことがあります。
SVCかどうかを見分けるうえで役立つのが動詞の働きに注目することです。
動詞がはっきりした動作を表しているのではなく、主語に追加情報を結びつけているだけなら、その文はSVCである可能性が高いです。これは、SVC や SVOC で使われる動詞の多くが連結動詞 (Linking verb) と呼ばれるタイプの動詞であることが理由です。
連結動詞の役割は、特定の動作を表すのではなく、文中の2つの要素を結び付けることにあります。
- SVC では、主語と補語を結びつける
- SVOC では、目的語と補語を結びつける
主語の後ろに動詞、さらに補語が続くときその文は SVC の文型です。実際に例文を見てみましょう。
My father is a university professor.
- 主語(Subject): My father
- 動詞(Verb): is
- 補語(Complement:名詞): a university professor
この文の動詞は is です。
ここで確認したいこととして、 is は何かはっきりした動作を表しているわけではありませんよね?おそらく is と聞いて具体的な動作を思いつくことは無いと思います。
実際、ここでは主語に追加情報を結びつける役割をしています。
そのため、この文では動詞の後ろに補語が続くことが予想できます。
この文の補語は名詞 a university professor です。SVC の文で補語に名詞が使われる場合、その名詞は主語を言い換えたり、主語が何者であるかを示したりします。
この文では主語 My father が a university professor であると説明されています。
では、もう一つ見てみましょう。
The dog seems sad.
- 主語(Subject): The dog
- 動詞(Verb): seems
- 補語(Complement:形容詞): sad
この文の動詞は seems です。
この動詞もはっきりした動作を表しているわけではありません。主語に追加情報を結びつけているだけです。このように、動作が明確にイメージしにくい動詞が使われているときは、その後ろに補語が来る可能性が高いと考えられます。
実際、この文では sad という形容詞が動詞の後ろに置かれており補語として機能しています。
SVC の文で補語に形容詞が使われる場合、その形容詞は主語の状態や様子を表します。
この文では sad が The dog の感情の状態を説明しています。
SVO (Subject-Verb-Object)
SVOの文型では、目的語は動詞の動作を直接受ける人やものを表します。補語とは違って、目的語は動詞の影響を受ける対象です。
そのため、SVOで使われる動詞は必ず他動詞になります。ここが SVO と SVC の大きな違いの一つです。
では、実際にSVOの文がどのような構造になっているのか見てみましょう。
I kicked the ball.
- 主語(Subject): I
- 他動詞(Transitive verb): kicked
- 目的語(Object): the ball
この文では kick という動作をはっきりイメージできますよね。is や seems のように、具体的な動作を表さない動詞とは大きく異なります。
この文では kick の意味を完成させるために the ball という目的語が必要です。そのため、ここでの kicked は他動詞として機能していると分かります。
SVOO (Subject-Verb-Indirect Object-Direct Object)
英語の文型の中でも、SVOO は少し分かりにくく感じやすい文型です。この文型では、動詞の後ろに2つの目的語が続きます。
まずは、この文型で使われる2種類の目的語を整理しておきましょう。
- 間接目的語(Indirect Object)
直接目的語を受け取る人、または動作によって利益を受ける人 - 直接目的語(Direct Object)
与えられるもの、送られるもの、見せられるものなど、動詞の動作の対象になるもの
SVOO の文では、動詞の後ろに
間接目的語 → 直接目的語
の順番で並びます。
では、例文を見てみましょう。
My grandfather gave me his wristwatch.
- 主語(Subject): My grandfather
- 動詞(Verb): gave
- 間接目的語(Indirect Object): me
- 直接目的語(Direct Object): his wristwatch
この文では me が間接目的語で「誰が受け取ったのか」を表しています。
そして his wristwatch が直接目的語で、「何が与えられたのか」を表しています。
つまり、この文は「祖父が私に腕時計をくれた」という意味になります。
SVOO では 誰に何を という関係が語順によって示されています。短文であれば感覚的に読んでも間違えないかもしれません。しかし、長い一文で単語を追った読み方をすると、間接目的語と直接目的語を勘違いして理解してしまう可能性があります。
その意味でもSVOOの文法的な理解は重要です。
SVOC (Subject-Verb-Object-Complement)
英語の重要な文型の一つに SVOC があります。この文型では、動詞の後ろに目的語と補語が続きます。
SVOC が分かりにくく感じやすいのは、目的語と補語が並んで出てくるため、補語をもう一つの目的語のように見誤りやすいからです。
例文を見る前に、まず動詞の後ろに来る2つの要素の役割を確認しておきましょう。
- 目的語(Object):動詞の動作の影響を受ける人・もの
- 補語(Complement):目的語について追加情報を与える語句
SVOC の文では、補語はもう一つの目的語ではありません。補語は、目的語の状態・立場・呼び名などを説明する役割を持ちます。
では、例文を見てみましょう。
They elected him president.
- 主語(Subject): They
- 動詞(Verb): elected
- 目的語(Object): him
- 補語(Complement): president
この文は SVOO ではないことにも注意が必要です。president は、与えられる物や送られる物のような「もう一つの目的語」ではありません。
そうではなく、president は目的語 him を言い換え、その人がどのような立場になったのかを示しています。
この文では
- him が目的語
- president が補語
という関係になっています。
him と president は同じ人物を指しているため、president は第二の目的語ではなく、目的語を説明する補語だと考えます。この「補語は目的語を説明している」という感覚がつかめると、SVOC はかなり分かりやすくなります。


