
過去時制と完了時制の違いとは?使い分けを分かりやすく解説
3つの基本的な時制
英語は時制によって「いつのことを述べているのか」「どの時間軸を見ているのか」を表します。この記事では、特によく使われる次の3つの時制を分かりやすく解説しています。
- 現在形 (Present tense):事実、習慣、一般的な内容を表す
- 過去形 (Past tense):過去に完了した出来事を表す
- 完了形 (Perfect tense):ある時点と別の時点とのつながりを表す
特に、過去形と完了形の違いは多くの学習者がつまずきやすいポイントです。どちらも過去の内容を表すことがあるため、見分けにくい印象がありますよね。
しかし、実際にそれぞれを理解してみると両者の違いはシンプルであることに気付きます。過去形は、過去の出来事を「そこで完結したこと」として述べる一方で、完了形は、その出来事を現在や別の過去の時点と結びつけて捉えます。
適切な時制を選べるかどうかは、英語を正確に書いたり話したりするうえでとても重要です。
ではまず過去形と完了形の基本的な使い方を確認したうえで、両者の違いを見ていきましょう。
過去形 (Past Tense)
過去形は、過去に完了した動作や出来事を表すときに使います。ここで中心になるのは、過去にその出来事が起きたという事実です。現在とのつながりや、その動作がどれくらい続いたかは焦点ではありません。
I opened the door for you.
この文は「話し手が過去のある時点でドアを開けた」という事実のみを表しています。あくまでも表しているのは「ドアを開けた」という完了した行為そのものです。
そのため、この文は今ドアが開いているかどうかまでは直接示していません。まだ開いているのかもしれませんし、もう閉まっているのかもしれません。この過去形の文ではそこは重要なポイントではありません。
過去形の意味
過去形の中心は、過去に完了した出来事そのものです。現在とのつながりや、動作の長さは、基本的には主なポイントではありません。
完了形 (Perfect Tense)
英語嫌いを多く出している理由の一つが完了時制です。
理由の一つとして、perfect という名前だけではこの時制の働きがあまり見えてこないからかもしれません。過去形は名前の通り、過去を表していることが分かりますが、完了形と言われても何を指しているのか分かりにくいですよね。
そこで、ここではできるだけシンプルに説明していきます。
まず押さえておきたいこととして、完了形には大きく分けて次の2種類があります。
- 現在完了 (Present Perfect)
- 過去完了 (Past Perfect)
どちらも「ある時点と別の時点を結びつける」という共通点はありますが、実際の使い方は結構違います。
現在完了 (Present Perfect)
現在完了は has / have + 過去分詞 で作られます。たとえば has finished や have studied のような形です。
現在完了は、過去の出来事や状態が何らかの形で現在とつながっていることを表すときに使われます。これが単に過去の出来事を述べる、過去形との大きな違いです。

では、例文を見てみましょう。
I have studied TOEFL for three hours.
この文では過去形ではなく現在完了が使われています。そのため「TOEFLの勉強を過去に始め、今も続けている」という意味になります。話し手は3時間前に勉強を始めて、今この時点まで続けていることが考えられます。
このように、現在完了は過去の動作や状態を現在と結びつける時制です。
ちなみに、現在完了には大きく分けて次の3つの用法があります。どの使われ方がされているかは文脈から判断します。
- 継続 (Continuation)
- 経験 (Experience)
- 完了・結果 (Recent Completion)
継続 (Continuation)
現在完了の中でも分かりやすい用法が継続の使い方です。これは、過去に始まった動作や状態が今まで続いているときに使われます。
以下の2文を比べると分かりやすいと思います。
I left the window open.
この文は過去形なので「過去のある時点で、窓を開けたままにした」という出来事を述べています。ただし、この文だけでは、今も窓が開いているかどうかは分かりません。焦点はあくまで過去の出来事そのものにあります。
I have left the window open.
一方、こちらは現在完了です。過去の行為が今にも関係していることが示されます。
継続の解釈でいけば、この文では「過去に窓を開けたままにし、今も窓が開いている」という意味になります。
ここからも、
- 過去形:過去の出来事として述べる
- 現在完了:過去の出来事が今にもつながっていることを示す
という違いがあることが分かります。
経験 (Experience)
他にも、現在完了は経験を表すときにも使われます。
少し不思議に感じるかもしれませんが、そもそも経験とは記憶喪失にでもならない限りはずっと残るはずです。その意味で、過去から今まで繋がっているという解釈ができます。
たとえば「アメリカに行ったことがある」と言いたいときは、過去形よりも現在完了のほうが自然な英語表現になります。過去形だとあくまでも過去にアメリカに行った事実のみにフォーカスした文になります。
I have been to the US.
この文では、現在完了が経験を表しています。
I went to the US.
こちらは過去形なので「アメリカに行った」という過去の出来事、事実そのものを述べています。
ここでの過去形と現在完了のニュアンスの違いを確認してみましょう。
- I went to the US.
過去の一回の出来事として述べている - I have been to the US.
今の時点から見て「行ったことがある」という経験を述べている
完了・結果 (Recent Completion)
3つ目の現在完了の用法として、ある動作がちょうど終わったことを表すときにも使われます。主に書き言葉よりも話し言葉で使われる用法です。
では、実際の文で見てみましょう。
I have finished my homework.
これを過去形の I finished my homework. と比べると、現在完了のほうは「宿題を終えた」という事実だけでなく、その結果が今この時点にも関係していることを表しています。「宿題がたった今終わった。」というニュアンスになります。
「たった今」というニュアンスを強調するために have just finished とすることもあります。
もう一つ見てみましょう。
She has just left the office.
この文では、現在完了によって少し前にその行動が完了したことが表されています。さらに just が入ることで、「たった今オフィスを出て行った」という感覚がより明確になっています。
過去完了 (Past Perfect)
過去完了は、英語の完了形の中でもう一つの重要な形です。
形は had + 過去分詞 で作られます。たとえば had eaten や had walked のような形です。
過去完了も現在完了と同じく、ある時点と別の時点との関係を表します。
現在完了が過去と現在をつなぐのに対して、過去完了は過去2つの時点をつなぎます。

つまり、過去完了は「ある過去の時点よりもさらに前に起きていたこと」を表すために使われます。
過去完了は多くの場合、別の過去の出来事や過去の時点とセットで使われるため、現在完了よりも見分けがつきやすいです。
では例文で過去完了時制の使い方を確認してみましょう。
過去完了の例文
I had lived in India before coming to the United Kingdom.
この文では、過去完了が過去のある時点よりも前に存在していた状態を表しています。
話し手がインドに住んでいたことは、その後の「イギリスへ移った」という出来事より前のことです。
- インドに住んでいた
- その後でイギリスに移った
これは典型的な過去完了の使い方で、2つの過去の出来事や状態があるときに、どちらが先だったのかをはっきり示すために使われます。
では、次の文も見てみましょう。
I realized that I had lost my wallet.
この文では、that I had lost my wallet の部分で過去完了が使われています。これによって「財布をなくした」という出来事が、「気づいた」という時点よりも前に起きていたことが分かります。
- 財布を無くした
- その後で無くしたことに気付いた
この文では文脈から順序を推測することもできますが、過去完了を使うことでどちらが先だったのかを文法的によりはっきり示すことができます。特に、フォーマルな英語が求められている場合には注意しなければいけない文法です。
時系列が他の語で明らかな場合は、過去完了を省けることがある
場合によっては、出来事の順序がほかの語や表現によってすでに明確になっているため、過去完了を使わなくてもよいことがあります。どちらの出来事が先に起きたのかが文の中ではっきり示されていれば、過去形だけで十分です。
I lived in the US after spending 5 years in Japan.
この文では前置詞 after が出来事の順序をすでに示しています。そのため、どちらが先だったのかを表すために過去完了を使う必要はありません。過去形だけでOKです。
もう一つ見てみましょう。
As soon as she finished her homework, she went to bed.
この文では as soon as という表現が出来事の順序をはっきり示してるため過去形だけで十分です。
過去時制と完了時制まとめ
最後に過去形、現在完了、過去完了の違いをまとめていきましょう!
この3つはどれも過去に関係する時制ですが、過去の出来事をどの時点と結びつけて捉えるかが異なります。
過去形は動作、出来事、状態を過去の中で完結した事実として表す時に使われます。
一方、完了形は、単に過去のことを述べるだけではなく、ある出来事や状態を別の時点との関係の中で捉える時制です。
具体的には、現在完了は過去の動作、出来事、状態を現在と結びつけるために使われます。そして過去完了は、ある動作、出来事、状態が別の過去の時点よりも前に起きていたことを表します。
| 時制 | 例文 | 意味 |
|---|---|---|
| 過去形(Simple Past) | She lost her keys yesterday. | 完了した過去の出来事を表す。 |
| 現在完了(Present Perfect) | She has lost her keys. | 過去に鍵をなくし、そのことが今も関係している。 |
| 過去完了(Past Perfect) | She had lost her keys before she got home. | 鍵をなくした出来事が、別の過去の出来事よりも前に起きたことを表す。 |