
英語の2種類の動詞:自動詞と他動詞を分かりやすく解説
自動詞と他動詞
どの言語であっても、動詞は自動詞と他動詞に分類することができます。この違いは重要で、動詞の後ろにどのような語が続くのか、そして文がどの文型になるのかは、基本的にその動詞が自動詞なのか他動詞なのかによって決まります。
では、自動詞と他動詞を詳しく見ていく前に、それぞれの基本的なルール簡単に確認しておきましょう。
- 自動詞 (Intransitive verbs):目的語を必要としません。
- 他動詞 (Transitive verbs):目的語を必要とします。
この記事では、自動詞と他動詞の違い、そしてそれぞれが文中でどのように機能するのかを見ていきます。
自動詞
自動詞を簡単に説明すると「主語自身の動作だけで完結する動詞」を指します。例えば、自動詞 sleep は他の誰かや何かに影響を与えることなく、自分だけで完結する動作ですよね。同様に、自動詞 walk も自分だけで完了する動作であることが分かります。
このように自動詞は動作が主語だけで完結するため、文法上も目的語を必要としないという特徴があります。そのため、自動詞を使った文では基本的に SV の形になります。
なお、自動詞を使ったうえで「どこで」「誰と」などの情報を加えたい場合には、前置詞を使って表現します。ただし、前置詞から始まる語句は文法上は付加情報であり、文の基本構造には影響しません。
では、自動詞が文中でどのように働いているのかを例文を通して確認していきましょう。
例文 1(自動詞)
My dog sleeps on the floor.
上記の文を分析すると、次のようにまとめられます。
- 主語 (Subject): My dog
- 動詞 (Verb): sleeps
- 前置詞句 (Prepositional phrase): on the floor.
前置詞句(前置詞から始まる句) “on the floor” は、単に場所の情報を付け加える要素であり、文の基本構造には含まれません。この文のコアとなるのは 主語と動詞 です。実際、前置詞句を完全に取り除いても My dog sleeps. という文が成立することが分かります。したがって、この文の基本構造は SV であると言えます。
文法的に説明すると、句(phrase) とは名詞、形容詞、副詞などの働きをする語のまとまりのことです。句は文の要素になることはありますが、単体で文になることはできません。主語と動詞の組み合わせを含まない語のまとまりが句になります。
一方、英語の完全文(complete sentence)には、必ず主語とそれに対応する動詞が含まれていなければなりません。
例文 2(自動詞)
では、もう一つ例文を見てみましょう。
I listen to various genres of music.
この文のメインの動詞は listen です。この動詞の後ろを見ると、前置詞 to が続いています。
listen は目的語を直接取ることができない動詞です。そのため、何を聞くのかを表すときには to を使う必要があります。もし前置詞を使わずに目的語を直接置いてしまうと、文法的に不自然になります。
文の構造を整理すると次のようになります。
- 主語 (Subject): I
- 動詞 (Verb): listen
- 前置詞句 (Prepositional phrase): to various genres of music.
実際、前置詞句を取り除いても I listen という文が成立します。つまり、この文の基本構造は SV であり、to various genres of music は追加情報を与える前置詞句です。
他動詞
自動詞とは違い、他動詞は目的語を必要とする動詞です。
他動詞を使う文では、動詞の後ろに目的語、あるいは補語を含む要素が続きます。そのため、文全体は基本的に SVO、SVOO、SVOC のいずれかの形になります。動詞によっては SVC のように見える説明がされることもありますが、まずは「他動詞は動詞の後ろに必要な要素を求める」と押さえておけば十分です。
例えば、make はよく使われる他動詞ですが、他動詞なので原則として動詞の直後には目的語が必要です。
× I made.
これは感覚的にも不自然ですよね。理由はシンプルで目的語がないからです。一方で、
✓ I made a cake.
これであれば、a cake が目的語になっているため正しい文になります。
また、他動詞の直後に前置詞句だけを置いてもだめです。
× I made in the park.
in the park は前置詞句であって目的語ではありません。この文も「他動詞なのに目的語がない」という点で誤りです。
例文1(他動詞)
I discussed the matter with my classmates.
- Subject(主語): I
- Verb(動詞): discussed
- Object(目的語): the matter
- Prepositional phrase(前置詞句): with my classmates
この文では、他動詞 discussed の直後に目的語 the matter が置かれていることが分かります。
discuss は自動詞として勘違いされやすい他動詞の一つです。例えば、次の文は文法的に誤りです。
× I discussed with my classmates.
この文が間違っている理由は、他動詞 discuss の直後に目的語が必要だからです。しかし、この文では動詞の後ろにあるのが with my classmates という前置詞句であって、目的語ではありません。
例文2(他動詞)
My friend married my colleague.
- Subject(主語): My friend
- Verb(動詞): married
- Object(目的語): my colleague
marry も、自動詞のように勘違いしやすい他動詞の一つです。例えば、以下の文はよくある間違いです。
× He married to my friend.
しかし、marry は他動詞なので、後ろには前置詞ではなく目的語がそのまま続かなければいけません。正しい形は次のようになります。
✓ He married my friend.
つまり、marry は 「誰と結婚した」 という感覚に引っぱられて to を入れたくなりやすいのですが、英語では「前置詞なしで目的語を取る」という点に注意が必要です。
受動態(受身表現)にできるのは他動詞だけ
他動詞の重要な性質の一つに、受動態で使えるという点があります。
例えば、他動詞 build は次のように受動態の文で使うことができます。
This house was built by my grandfather.
能動態の文で目的語だったものが、受動態では主語になっています。
一方で、自動詞を受動態にすると、文法的に誤りになります。例えば、sleep は基本的に受動態では使えません。
× He was slept in the park.
この文が間違っている理由は、sleep が目的語を取らない自動詞だからです。
受動態は、能動態の文で目的語だったものを主語にして作る表現です。そもそも目的語を持たない動詞は、原則として受動態にすることができません。
- 他動詞 → 目的語があるので受動態にできる
- 自動詞 → 目的語がないので受動態にできない
このルールを理解しておくと、受動態の文法もかなり整理しやすくなります。
よく自動詞と勘違いされる他動詞たち
他動詞と自動詞の区別は言語が違ってもある程度共通していることが多いです。たとえば「買う」にあたる動詞は多くの言語で他動詞として使われるため、たいてい目的語を伴います。当たり前ですが、このような語は他動詞か自動詞かで迷うことはありません。しかし言語によって使い方がずれる動詞には注意が必要です。
では、まず誤った例文を見てみましょう。
× I discussed with my classmates about the news.
discuss は他動詞なので、後ろには前置詞ではなく目的語が直接続く必要があります。この場合は「何について話し合ったのか」にあたる語を、そのまま discuss の後ろに置かなければいけません。
上の文では discussed の後ろに目的語が来ず、前置詞 with が続いてしまっています。確かに「誰と話し合ったのか」という情報を入れたい気持ちも分からなくはないですが、他動詞である以上、まずは目的語「話し合った内容」を動詞の直後に置かなければいけません。
正しく直すと、次のようになります。
I discussed the news with my classmates.
この文では目的語 the news が他動詞 discussed の直後に置かれています。このように、他動詞を使う場合には、まず 動詞+目的語 の形を作ったうえで、必要に応じて with my classmates のような前置詞句を加えます。
discuss と同じように、多くの学習者が自動詞のように使ってしまいやすい他動詞がいくつかあります。代表的なものは以下の通りです。
- discuss
- approach
- enter
- marry
- resemble
- accompany
- join
これらはすべて他動詞なので、目的語は動詞のすぐ後ろに置く必要があります。
練習問題
問題 1
解説
この文では、approach は他動詞として使われているため、後ろに目的語をそのまま続ける必要があります。正しい形は次のようになります。
He approached the cat.
approach が「人や物に近づく」という意味で使われるときは、前置詞 to は不要です。そのため、
He approached to the cat.
とは言いません。
ただし、他動詞の後ろに目的語をきちんと置いたうえで、さらに情報を付け加えることはできます。大事なのは、まず他動詞の直後に目的語を置くことです。
He approached the cat with care.
この文では、He approached the cat の時点で文の中心となる要素がそろっています。そのうえで with care という前置詞句を加えて「注意深く」という追加情報を繋げています。
